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      生きる力を身につけたたくましい子供を育てる

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〒080-0022 帯広市西12条南17丁目3


学校法人帯広葵学園 理事長 上野敏郎  

第92楽章 ―命の教育“人間だって動物ディ”―

 平成17年は、平成10年から群馬県が取り組んでいた「動物ふれあい教室」事業を、葵学園が参考にして取り組んだ年でした。群馬県は、「子どもを育てるなら群馬県」とするスローガンを掲げていました。

  この事業の対象は小学生で獣医師を介在させるものです。「動物介在教育」と言っていました。小学校の先生は必ずしも動物の専門家ではありません。そこで群馬県は、小学校に獣医師を校医としておく制度をつくり、「動物介在教育」に取り組みます。

 私は、さっそく群馬県から資料を取り寄せこの事業の内容を勉強しました。群馬県では、小学校の1年生、2年生の生活科の授業の中で動物の絵を描くところから始まります。次に、獣医師と学校の先生方が相談して学習内容を決定しグループ学習へ進みます。そこでは、例えばウサギをひっくり返して観察したり、前後の足を数えたり、心臓の音を聞いたりします。私は、心臓の音を聞くことに着目しました。

 葵学園の当初の計画では、帯広動物園に園児が出向き直接動物の心臓の音を聴診器で聞くことにしました。行く行くは、小動物と像の心臓の音との違いが分かるようにしたいと思っていました。しかし、実際はそう思い通りには進んでいません。 葵学園では今でもこの事業を継続しています。帯広の森幼稚園、つつじが丘幼稚園、緑陽台保育園の園児が帯広動物園に行き、小動物に触れ、その心臓の音を聞いています。ただし、一人ひとりが自分の耳で聴診器を通して聴くのではなく、聴診器とつないだ拡声器を通して聴いています。これは園児の数が多いことが理由です。

  それでも葵学園はこの事業を継続していきます。なぜならば、この事業は、園児の養育心を育て、いのちの尊さを知ることに必要だからです。更には、教職員にとって、子どもの発達心理を学ぶ上で貴重な学習の場にもなるのです。

 動物は、人間と同じように生きるために必要な心臓を持っています。大切にしなければなりません。

 正に、“人間だって動物ディ”なのです。


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