平成16年頃の葵学園は、総園児数が400人台を常に維持できる幼稚園に育っていました。そのことも要因となっていたと思いますが、様々な場面で経営改善の議論が論じられるようになりました。葵学園は、理事会や評議員会で予算、決算の内容を細かく資料で示しています。収支は一目瞭然ですが、厳しい統廃園の経験をしてきた職員の中には、園児数の増は法人の大幅な利益増に映ったのかもしれません。確かに、法人が新しくスタートをした平成11年の園児数373人からすれば、平成16年は403人ですから30人の増です。この頃の葵学園は、労使間の話し合いが頻繁にあり、時には加熱状態に陥ることもあったのでした。
当時の法人は、理事、評議員及び職員に対する財政状況の説明は、私学事業団私学経営相談センター(東京)に経営分析の結果を拠り所としていました。この分析は、平成10年度から14年度までの5年間のデータが基になっています。
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@ 安定した園児数を確保するための募集活動の強化 A 給与、適正な人員の配置を含めた人事制度の見直し
B 新たな施設・設備計画は、現在の借入金等利息支出の負担を考慮し 慎重に行う
※財政基盤の建て直しに向けて法人全体で改善策を検討することが 望まれる。
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これが、経営相談センターのまとめのです。 @の指摘は、財政運営が安定する園児数を確保せよと理解しました。 A嘱託職員の数の多さが、職員全体の給与バランスを欠いているから、
適正な人事配置を検討せよと理解しました。 B借入金等利息比率は全国が平均0.8%なのに、葵学園は5〜6%と異常
に高いから借金をこれ以上増やすべきではないとの警告と理解しました。
平成16年の葵学園は、財政再建優先の道を歩く決断をするのでした。
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