前の章で触れるべきだったことですが、「O157」の問題を抱えた源照学園にとって最も関心の高い課題は平成9年度の園児数でした。その主な要因となった葵西幼稚園は200人の定員を上回る幼稚園でしたが、今度は厳しいのです。葵と葵南幼稚園は引き続き定員を大きく割り続けるのか、理事者はじめ全職員はこんな心配をしていたのです。
もちろん、新園児の募集は前の年の11月から始まっています。いつもの年なら、受付日の当日に新年度の大勢が概ねはっきりしていました。平成8年のその日はそうではなかったのです。卒園児は93名でした。新入園児の確保の努力はしばらく続くことになります。
ただ、嬉しいこともありました。それは、O157でご苦労された親御さんが下のお子さんをいち早く入園させてくれたことです。もう一つ、全く新しい親御さんが「これからに期待しますから」と受付初日にお子さんの入園手続きをしてくれたことです。
全職員は「申し訳ない」気持ちを持ちながら、最善の努力をしなければならないと努めてはきましたが最善の結果を出すためには幼稚園の力だけでは不足だったのです。そんな状況にあっての在園児の兄弟と初めての子どもの新入園です。幼稚園関係者は涙を流して感謝し喜んだのでした。
さて、葵西幼稚園の平成9年度の入園式は93名の新入園児を迎えてのものでした。つまり、平成8年度と同じ240名を確保できたのです。このことに幼稚園関係者は、安堵もしかつ最善の仕事を誓うことになります。更に、反省から学んだものを忘れないと互いに確認したのです。
十勝毎日新聞の続きを紹介します。
1.平成9年05月28日 「葵南」・「葵」を移転統合 新幼稚園オープンへ園児数減少の対応
O157対策も徹底図る 2.平成9年06月14日 道私学審議会 葵西、幕別幼稚園の定員増了承
3.平成9年07月14日 21日、最後の夏祭り 来春統合される葵幼稚園 4.平成9年07月05日 稲田保育園保母高谷みゆきさん
応用心理カウンセラー資格取得 大楽通信講座で3年越し
5.平成9年07月15日 小中学校に市が配置 消毒用の噴霧器 O157
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